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PROJECT REPORT

Rethink講座&ワークショップレポート 名古屋編 ~シャチホコに問いたいアレ~

「名古屋名物、って仰いますけど…」

デザイン経験がなくても楽しくクリエイティブを体験できるRethinkセミナー。7月に名古屋で行った講座をレポートします。名古屋といえば、何を思いつきますか? エビフライ? 名古屋城? 中日ドラゴンズ? 味噌カツ? なんとなくそんなイメージがありますよね。でも、「なんとなく」のイメージだと、気持ちをギュッとつかまれないような…。今回のワークショップでは、名古屋を象徴する金のシャチホコがお題に。Rethinkを学んだ参加者から、まさかの発想が飛び出します。シャチホコからどんな「地元の魅力」を再発見できるか、乞うご期待。

2021 Rethink Creator PROJECT 第8回 名古屋セミナー

【日時】 7/14(水)18:30~21:00
【会場】 名古屋会議室ナカトウ丸の内ビル 第一会議室
【住所】 〒460-0002  愛知県名古屋市中区丸の内3-17-6 ナカトウ丸の内ビル 2階

 

名古屋セミナーの会場&参加者は?


名古屋セミナーの会場は、名古屋会議室ナカトウ丸の内ビル。愛知県庁や名古屋市役所から近い人気エリアにあります。少人数から最大132名まで、利用人数と予算にあわせて幅広く利用可能なこの施設は、リアル形式はもちろん、Web会議も可能。機材設営からPC操作まで、オンライン開催をサポートしてくれる心強い施設です。今回のセミナーの参加者は、女性8割、男性2割で、10代~40代の方々。オンライン参加者の中には、県外からの方や別会場のリアル参加者もおられました。会社員が3割、学生が2割のほか、フリーランス、公務員、専業主婦(夫)と、さまざまな属性の方が。約半数がクリエイティブなお仕事未経験者ですが、全員が「クリエイティブな仕事をしてみたい」という希望アリ。
視点を変えて考え、それを形にして世の中に発信できるクリエイターさんが増えて欲しいと願っているRethink Creator PROJECT。未経験者の方大歓迎!のこのセミナーに参加者が惹かれた理由が分かりますね。ちなみに、昨今のコロナ状勢を鑑みて、リアル・オンライン双方で参加を募り、会場が密にならないようリアル参加の人数は限定。入室前の検温や消毒の徹底など、万全の感染対策を尽くして開催されました。

名古屋セミナーの講師はこんな人!

中川 直樹(Nakagawa Naoki)

職業:アートディレクター
在住地:東京都
株式会社アンティー・ファクトリー 代表取締役。浜松市出身。ニューヨーク州立大学で広告デザインを学び、現地にてWebやグラフィックデザインに従事。
1969年に帰国し、翌年、『デザインで社会を創る』をミッションにWeb戦略・制作をワンストップで行い、リサーチ・戦略立案〜制作までコミュニケーションデザインに関して一気通貫して問題を解決していくプロフェッショナル集団として、有限会社アンティー・デザインを設立。2001年には株式会社アンティー・ファクトリーに。地域振興など地域に密着した仕事に取組む一方、デザイニストの育成にも取り組み、クリエイティブ関連スクールでの講師や団体の会長、月刊専門誌の連載などでも活躍している。Rethink Creator PROJECTでは、全体の進行を担当。

轟 最之(Todoroki Motoyuki)

職業:アートディレクター

在住地:名古屋市
長野県出身で専門学校を卒業後、名古屋のデザイン会社に就職。その後、フリーランスを経て、制作の上流工程から関わるべくアンティー・ファクトリーにジョイン。現在、名古屋支社のアートディレクターとして、『課題』を具体化し、アイデアで『改善』。Web制作からUI(利用者と製品やサービスとの接点)やUX(ユーザー体験)の設計にも携わっている。
セミナーでは、地元ならではの視点とクリエイターとしての視点でクリエイティブな世界を伝える。

Rethink Creator PROJECT 名古屋セミナー、いざスタート!


まずは、Rethink Creator PROJECTを企画・運営している「株式会社クリエイターズマッチ」代表・呉(ご)がご挨拶。クリエイターズマッチは、制作・開発・教育の3つの事業を通して「クリエイターが働きやすい世界を創造する」ことを目的とした会社。日本全国にいるクリエイター志望者へ学びの機会を、パートナークリエイターにはキャリアを広げるためのお仕事・作業効率を上げるためのツールなどを提供し、資生堂やアディダス、バンダイなど、数多くの大手企業との取引実績もある企業です。Rethink Creator Seminarは、その「教育」のひとつで、Rethink PROJECTの一環としてクリエイターズマッチが運営しているセミナー。「地元を誰かにまかせない。」というキャッチコピーのとおり、クリエイターの地産地消を目指して、地元の人しか知らないその土地の魅力を再発見して発信する方法を知ることができる、デザイン未経験者でも受講可能なクリエイティブセミナーなのです。

続いて、本日登壇いただく講師のお二人をご紹介。一人は名古屋、もうお一人は東京を拠点に、共にクリエイティブに携わっているアートディレクター。ナショナルクライアントから地域に密着した仕事まで、デザインで数々の課題を解決しています。デザインのその先を目指して、世の中を素敵にする「きっかけ」や素敵そのものを創っているという、まさに現場の最前線にいるクリエイターです。さあ、名古屋の魅力をクリエイティブの力で発見・発信するRethinkセミナー、スタート!

名古屋セミナーレポート其の壱 Rethink講座 IN 名古屋編


Rethink講座は、ロジックをわかりやすく伝えてくれる中川さんと、地元情報やクリエイターの発想をほんわかと示してくれる轟さんの、気さくな掛け合いで進んでいきます。

まずは、キーワードとなるRethinkについて。
Rethinkとは、「視点を変えて考える」という意味。
具体的にどのように視点を変えるか、というと…
1.FILTER(フィルター)  2.INSIGHT(インサイト) 3.CAPTA(カプタ)という3つの見方で「視点」を変えてみることで、地元の魅力を新しいカタチで伝えよう、という試みなんです。

まずは、1つ目の「FILTER(フィルター)」。
中川さん「名古屋の魅力を見つけよう!ということで、どんなものがありますか? なんとなくビジュアルで思い浮かぶものはなんでしょう」
轟さん「歴史的な視点だと、名古屋城。食べ物だと味噌カツや手羽先とか。プロスポーツのチームもいくつかあります」
うむ、名古屋といえば、なんとなく名古屋城や味噌カツなどが浮かんできますよね。

これ、実はFILTERがかかっていない「なんとなくのイメージ」なのだそう。
今回のテーマは、「名古屋の魅力を好きになってもらう」こと。ですが、 不特定多数の人になんとなく伝えて、名古屋の魅力が伝わるのか? 好きになってもらえるのか? …ちょっと微妙ですよね。
では、「誰に伝えるのか」「誰に好きになってもらうのか」、特定の人をイメージして伝えるとどうでしょう。

中川さん「例えば、轟くんは誰に名古屋の魅力を伝えたいですか?」
轟さん「長野の学生時代にお世話になったお酒好きな先輩とか」
ということで、轟さんからその先輩に伝えたい名古屋のイメージとして出てきたのは、いきなりの「大衆居酒屋 大甚」。 名古屋城でも、味噌カツでもありません!

中川さんいわく「僕も名古屋には割と来ますけど…知らないです、その居酒屋。」
なかなかマニアックな選択ですが、ここがポイント。
「誰に伝えるのか」を定めることで、地元の人しか知らない、あるいは地元の人でも見過ごしてしまいそうな名古屋の魅力が具体的に出てきた!ということなんです。
まずはじめに、「誰に伝えるのか」を特定してみる。これがFILTERなんですね。

 

2つ目のポイントは、「INSIGHT(インサイト)」。
先ほど轟さんは、伝える相手=「長野の学生時代にお世話になったお酒好きの先輩」と特定し、伝える内容として「大衆居酒屋 大甚」を選びました。なぜ、大甚を伝えたいと思ったのでしょうか?

轟さん「先輩は、お酒好きで居酒屋も好きなんです。だから名古屋でも特別な居酒屋を紹介したいと思いました。大甚は、創業110年の、日本で最古の居酒屋なんです。そのうえリーズナブルで美味しくて、雰囲気もとてもいい。そういう特別な体験を先輩にして欲しいと思い、選びました」
中川さん「おお、なるほど、それは行きたい!」
日本最古の居酒屋が名古屋にあるとは…!そう聞くと、どんなお店なのか俄然気になっちゃいますね。これが、INSIGHT。伝えたいものの外側を表して「誰かになんとなく伝える」のではなく、「その人になぜそれを伝えたいのか」という内側、伝えたい相手に寄り添う視点に変えることで、コミュニケーションの方向性が見てくる。伝えるメッセージが変わってくるわけです。

 

最後は、CAPTA。カプタと読みます。 「印象を見る」ということ。
これは、対になるモノとしてDATAと比較すると分かりやすいかも。

・DATA(データ):性格で堅い情報(数値や属性、位置や時間などの定量的な情報)
・CAPTA(カプタ):自由でやわらかい情報(現象や心理、物語などの解釈が色々ある情報)

例えば、先ほど出た大衆居酒屋 大甚をDATAで伝えると、「明治40年創業、大衆居酒屋 大甚、名古屋・栄町から一駅」といった感じ。CAPTAで考えると…。
轟さん「『ほぼ日本最古』、『レトロでエモい』、お店の雰囲気が『ほっこりしていてその空気感が良い』、『地元の人たちからものすごく愛されている』、サービスがすごく『アットホーム』」といったものを感じました」

CAPTAで感じたことを使って伝えると、「名古屋で味わう」「日本最古のおもてなしを」「ほっこり空気感」となりました。DATAとはまったく印象が変わります。人の心を動かすコピーを考える時には、CAPTAがとても重要になるんですね。

 

FILTER・INSIGHT・CAPTA、3つの手法でRethinkしてみると、身近な魅力が沢山見つかる。同じモノでもさまざまな表現ができる。それが実感できた講座でした!ここでは講座の一部をご紹介しましたが、実際にはほかにも地元のスポットやグルメがたくさん紹介され、講師がRethinkして新たな魅力を発見してくれました。地元の人も知らない名所や名物が次々と出てくるのを見ているだけでも楽しいのに、そこにRethinkでより魅力的なメッセージが添えられると、「行ってみたい!」「食べてみたい!」という気持ちが高まります。

「セミナー後、街を歩くと発見だらけ!」「クリエイティブって難しそうって思ってたけど、視点を変えるだけで色んなアイデアが湧いてくるんですね」と、参加者からも大好評。このセミナーに参加したことがきっかけで、今はデザイナーとして活躍する先輩もいるんですよ。こんなに充実した講座&ワークショップなのに、未経験大歓迎、参加費は無料!興味が湧いた方は、今後のセミナー開催予定をチェックしてみて下さい!

Rethink Creator Seminar2021 セミナー開催情報はこちら>>

 

名古屋セミナーレポート其の弐 Rethinkワークショップ IN 名古屋編

RethinkワークショップIN名古屋のお題1 「金シャチでしょ、知ってる」…ホントに知ってる?

休憩時間を挟んだあとは、実際にクリエイトしてみるワークショップ。「地域の魅力を伝えるポスターづくり」の始まりです。参加者がコピーを考え、轟さんがレイアウトしてくれます。Rethinkで、どんなポスターができあがるのか楽しみですね!最初のお題は…じゃん、「金のシャチホコ」。名古屋のシンボルですね。
轟さん「1612年、徳川の威を誇示するため天守閣完成時に乗せられました。太平洋戦争で一度焼失しましたが、名古屋の人々の熱意によって復元。日本全国やウィーンの博覧会などに出品され、世界でも人気を博します。2021年の春には、疫病退散と復興への道に導くビックシンボルとして、16年ぶりに地上に降りるイベントも行われました」

そんな縁起のよさそうな金のシャチホコをモチーフに、どんな魅力を伝えるのか。FILTER、INSIGHT、CAPTAの3つの視点を経て、参加者がコピーを考えていきますよ!

ターゲットを決めよう1 ~さあ、誰に届ける?

オンライン
  • SAMURAIが好きな外国人
  • 中国地方在住 50、60代 子育てを終えた夫婦。一度も愛知には行ったことがない。
  • 日本にまだ忍者がいると思っている、アフリカの方。
  • 写真好き、旅好きなインスタグラマー
  • 広島在住 65歳 頑固な職人(義父)
リアル
  • 戦国時代〜江戸時代の歴史を学び終えたばかりの中学生
  • 次男(5歳)名古屋って何?ってレベルの5歳。好きなことは食べること。名古屋城公園は好き。自転車を乗り回すのが好き。なんでも食べる
  • 歴史・文学好きな父。(70代、国語の元教師、歴史文学好き)
  • コロナでなかなか会うことができなかった地元の友達
  • 娘の友人(タイ在住のタイ人)

ステップ1では、名古屋の魅力を誰に伝えたいのかを考えます。
中川さんからは「できるだけ具体的に」というアドバイスが。制限時間は2分です。
リアル参加者は用紙に記入して提出。オンライン参加者はチャットに投稿していきます。…面白いアイデアが出てくる出てくる!「なるほど!」「いいですね!」「これ最高っすね!」と興奮気味で作品を読む中川さん。一方で、淡々と作品を選ぶ轟さん。名古屋在住の轟さんが選んだのは、「日本語ができるという前提で」、コレ!

日本にまだ忍者がいると思っている、アフリカの方。

コピーを考えよう1 ~さて、どのように伝える?

オンライン
  • ニッポンのサカナは光ってる。
  • 忍者の待ち合わせ場所
  • サムライも愛した金のワニ!?
  • 街も人もピンピカ
  • 一目見るべし!! 日本で一番有名な魚!?!?
リアル
  • KIN(きん)とシャチと忍Zya(じゃ)
  • ナゾ多き伝説の生き物。大きいの?小さいの!?魚なの!?ワニなの!?なんなの!?
  • 忍法!ド派手魚変化の術!!
  • \忍者だけじゃない!/ 幻の生物は名古屋に実在した!!
  • 最近の流行はでらぴかだがや

伝える相手が決まったら、次はコピーを考えていきます。今回の制限時間は5分。

轟さん「ターゲットだけ見ると、たぶんシャチホコのことは知らないですよね」
中川さん「なんだコレ?!となるよね」
轟さん「シンガポールのマーライオンを思い浮かべるかもしれません」
中川さん「たしかに!」
ターゲットが独特なだけに、講師の2人も金のシャチホコについての話がつきません。
そうこうしているうちに、参加者からは印象的なコピーがたくさん出てきましたよ。

中川さん「面白いね、金のシャチホコって何者なんでしょう」「コピー全てが秀逸!すごいすごいすごい、たった5分で、プロ以上ですよ」
轟さん「ほんとですね、感動しています。ちょっと観点を絞らないと選べないですね」

数あるおもしろコピーの中から、デザインを担当する轟さんが選んだのは、これ!

ナゾ多き伝説の生き物。
大きいの?小さいの!?魚なの!?
ワニなの!?なんなの!?

レイアウトを決めよう 1~プロの技、拝見!

コピーが決まり、次は最終段階のレイアウトです。
まず、「文字(フォント)の種類」を会場の参加者が、「文字のレイアウト(縦書きか横書きか)」をオンライン参加者が、それぞれ多数決で決めます。決定したのは、「ゴシック体の縦書き」。
轟さん「えっ、縦書きですか!」
中川さん「これは大変ですね(ニヤリ)」

長文のコピーを縦書きで写真に載せる。しかも金のシャチホコのインパクトを消さないように…。このレイアウト、かなり難しそう(汗)しかし、縦書きの配置を守りつつ、長文のコピーをキャッチコピーとサブコピーのように分け、ビジュアルを生かしながら文字の置き方を微調整していく轟さんの様子は圧巻。金のシャチホコとコピーが相乗効果でイキイキしてきました。これがプロの技★紆余曲折を経て完成したのが、こちらです!

完成!これが、1つ目のRethink。

1つ目のRethinkが完成。 参加者の本日の学びがギュッとつまった作品です!

中川さん「面白い作品になりました。最初に僕が想像したのは、最近よくある、大きな文字で海苔弁のように埋め尽くすレイアウトでしたが、轟くんはいろいろ動かしながら、ここにたどりついた。こういうふうにクリエイティブに作ることができる彼は、さすがアートディレクターだなと思います」Rethinkをすることで、プロのクリエイターが感動するほどのコピーをたくさん創り出した参加者たち。クリエイターと参加者とが触発しあいながら、強く印象に残る作品が完成しました。学んで即実践できるお陰で、Rethinkの醍醐味をしっかりと味わえるセミナーになっていますね。「自分にもできちゃうかも?」もちろん、できます!クリエイター未経験者もデザイン未経験者も気軽に参加できて、しかも無料!のRethink Creator Seminar、あなたもぜひ参加してみて下さい。

Rethink Creator Seminar2021 セミナー開催情報はこちら>>

RethinkワークショップIN名古屋のお題2 でらおしゃんな名古屋。


感覚をつかんできたところで、2つ目のお題に突入。金のシャチホコとはうって変わって、幻想的な「水盤とテレビ塔の夜」の写真が登場しました。

轟さん「この辺り、50年くらいまではアングラな人たちがたむろしていたのですが(笑)、近年リニューアルされてデートスポットになっています。レストラン、カフェなども入り、ミストが出るような演出もあったり。ホテルもあって、テレビ塔に泊まれるんです。名古屋はわりとアートに力を入れてまして、テレビ塔のホテルには、名古屋出身のアーティストが作ったアートの部屋があります」

「テレビ塔に泊まれるんですか?!」と驚きの中川さん。
恋人と泊まって、インスタに写真を載せたくなるような素敵な雰囲気に「写真だけでコピーはいらないような…」と、中川さんが思わずつぶやきます。でも、だからこそ、どんなコピーが生まれるのか楽しみですよね!

ターゲットを決めよう2 ~さあ、誰に届ける?

オンライン
  • 逆プロポーズをしたいけど、どこでしようか悩み中の女友達。
  • 愛知の名古屋市以外に在住。または愛知の隣県に在住の20代後半から30代前半のカップル。付き合い初めて1年以上たち、最近あまりロマンチックな場所をデートスポットに選ばなくなってきた人。
  • 東京ラブストーリーをリアルで見てて、写真を見て、ラブストーリーは突然にをくちづさむ、50代の方。かんちー。の、モノマネも入る。
  • 三重県在住、名古屋で長年働いていた65歳。定年退職したばかり。
  • 名古屋とばし(コンサートで東京、大阪、福岡を回る)でなかなか名古屋に来てくれない音楽家・ピアニスト
リアル
  • コロナで初のパリ旅行が延期になってしまった女子大生。
  • 名古屋は派手で下品だと思ってる人
  • 働き詰めで夜にいろいろ考えてすぎてしまう会社員。ホテルに泊まって出張が多い人
  • ロマンチックな時間を忘れている、大人の女性
  • 10年間片思をいしてる相手

さすが2つ目とあって、リアル・オンラインともに、参加者からのアイデアがより具体的になりました。

轟さん「その人に対してどういうアプローチをするのかな、という視点で、僕は、『名古屋は派手で下品だと思ってる人』が面白いと思いました(笑)」
中川「僕は、『名古屋とばし(コンサートで東京、大阪、福岡を回る)でなかなか名古屋に来てくれない音楽家・ピアニスト』がイイですね」
轟さん「ウン、どちらも同じ観点というか、同じ方向性のコピーだと思います」

名古屋在住の轟さんが選んだターゲットは、どちら?

名古屋とばし なかなか名古屋に来てくれない
音楽家・ピアニスト

コピーを考えよう 2~さて、どのように伝える?

オンライン
  • 名古屋には、ステキな(コンサート)会場が、街中に。
  • 聞こえてきませんか?アナタの音楽
  • 私はここであなたに会いたい。
  • 今まで飛ばしていたことを、後悔する、名古屋。
  • どまんなかで、芸術を。
リアル
  • ここで弾いている。あなたを待ってる。
  • 音楽が似合う街
  • つかれた心に・・・とちゅう下車してみよう
  • あなたに奏でて欲しいロマンチックな空間
  • この最高の舞台はあなたの音楽で完成するのです。

中川さん「轟くんも僕もアートディレクターなのですが、コピーの威力ってすごくて、どんなに素敵なビジュアルを、どれだけ時間をかけて用意しても、1行のコピーに負けちゃうんですよね。」
中川さんはそんなエピソードを紹介してくれました。それだけ、言葉の力って大きいんだなぁと改めて思えますよね。テレビ塔の幻想的な写真に合わせて、今回のコピーはロマンチックなもの、キュンとするものが多かった印象です。
轟さん「ターゲットであるアーティストがなぜ名古屋を飛ばしたのか?というところもポイントだと思います」
なるほど! そういう視点もあるんですね。

今回も選ぶのが難しそう…。クリエイターの視点で轟さんが選んだコピーは、こちらです!

聞こえてきませんか?アナタの音楽

レイアウトを決めよう2 ~プロの技、拝見!

決定したコピーは、轟さんからのリクエストで、「アナタ」をひらがなにして表現することに。

今回も「縦書き・横書き」と「フォントの種類」は参加者の多数決で決めます。
フォントについては満場一致で明朝に。縦書きか横書きかについては、なんと同数!
ということで、轟さんが決めることになりました。轟さんが選んだのは横書き。
中川さん「普通なら、テレビ塔にそって同じようにコピーも縦書きにします。そうやってビジュアルとコピーの同一印象を与える。なんとなく普通の人は縦書きを選ぶ。」
そこをあえて横書きにする轟さん。チャレンジャーです。
完成!これが、2つ目のRethink。

2つ目のRethinkも完成!
どうしてこういうレイアウトになったのでしょうか?

轟さん「『聞こえてきませんか』というコピーから、この絵の中で音楽がなっている気がして。たぶんそれを邪魔するのはいけないと思うんです。
コピーって、絵で言いえないことや、絵と同じことを補完するとか、より際立たせるような意味合いがある。絵で伝わるのであれば、それを邪魔しちゃいけない。だからあえてメッセージを小さくして置きました」

たしかに!コピーがとても小さい文字で配置されているため、逆に写真の美しさや幻想的な雰囲気を際立たせ、同時にコピーも輝いて見えます。

中川さん「この写真の雰囲気を大切にするためには大きな音楽ではなくて、ちっちゃな音楽が流れている、それを気づかせるためにはテキストは小さいほうがいいし、ビジュアルをよごさない方が良いっていう彼の考え。これも伝えるものに寄り添った考え方で、Rethinkで言えばINSIGHTです」

名古屋セミナー、終了! ~参加者の感想は?

最後に、講師のお2人から。

中川さん「今日は、2つの作品制作を通して二人ともみなさんの案に興奮しました。今日のクリエイティブの真髄を作ったのは、みなさんです。プロに頼まなくても、クリエイティブは自分たちで考えられますし、地域の再発見というところでは、地元の人たちがきちんと再発見して、そのことをいっぱい知る。そして誰に伝えるってことを決め、そこに対してカプタを含めたうえでのコピーを入れることによって、より魅力的に印象的に地域の魅力を伝えられる。Rethinkでそれができる、自分のまちに人を呼びこむことができる可能性を感じていただけたのなら、この2時間半まったく無駄じゃなかったと思います。」

轟さん「今回、クリエイティブということを軸に、いろいろワークショップを行いましたが、クリエイティブって、僕がいまやったような『見た目のデザインをつくる』ことだけじゃなく、もっと広い意味でとらえて、自分ができるところに参加していただければ、僕らとしては嬉しいなって思いました」

 

締めには、Rethink Creative Contestという、デザイン経験がなくてもチャレンジできる“アイデア重視”のクリエイティブコンテストの紹介が。2021年のテーマは、「地元のアフターコロナをRethink!」。これから必ずやってくるアフターコロナに向けて、あなたの地元の「当たり前だと思っていたこと」「意外と知られていないこと」「ちょっと残念なこと」を魅力的に伝えて下さい、ということで、A4タテサイズのポスターを創るというのが課題です。IllustratorやPhotoshopといった専用ソフトを使わずとも、Wordなんかで作成してもOKなんですって。最優秀賞となるRethink PROJECT賞には、賞金50万円が贈呈される!ということで、デザインやクリエイティブのコンテストとしてはかなり大盤振る舞いなんです。2020年のRethink PROJECT賞は、沖縄の意外な風習を紹介したユニークな作品。受賞作を見てみたい方は、2020コンテストの審査結果ページをチェックしてみてくださいね!

 

Rethink名古屋セミナー、これにて終了!

実際に参加くださった皆さんのアンケートからは、以下のような感想が寄せられました。

・初のオンラインセミナー参加でちょっぴり不安でしたが、分かりやすかったですし、チャット参加もしやすかったです。
・すごく面白かったです!中川さんがお話上手で引き込まれました。轟さんのデザインもステキ♡
・「名古屋城の金シャチ」のお題で作成された作品、プロの技を見せつけられた!感動ものです。見せ方で、どんな風にも変えられるんだって気づきました。
・言われたまんま作るんじゃなくて、自らが発信できるようになりたいと思って受講しました。目線が一人よがりだなっていう自分のウイークポイントや課題が見つかったので、参加してよかったです。
・地域デザインに興味があり参加しました。非常に分かりやすくロジックを説明して下さって、ワークも楽しかったです。ありがとうございました。

ちなみに、参加者の満足度は…なんと、100%!※
参加者全員が、楽しみながらクリエイティブを体感し、学び、作る面白さを感じてくださったようです。

今回のお題となった「金のシャチホコ」のように、県内の人も県外の人も知っているものの魅力をこれまでにない切り口で発見する面白さ。また、セミナーで出てきた「大衆居酒屋 大甚」のように、地元で人気はあるものの、名古屋の魅力としては意識してこなかった素敵な要素に新たに気づく楽しみ。
Rethinkの視点で探していくと、地元の魅力がくっきりと浮き彫りになってきますよね。

参加者のみなさんが、地元の隠れた面白さや魅力をたくさん発見・発信し、名古屋がいろいろなイチオシでいっぱいになりますように。
毎日の暮らしの中で「Rethinkしてクリエイト」をどんどん楽しんでください!
※参加者アンケートで「とても満足できた」「満足できた」と回答された割合 (ここは小さめのフォントにしてください)

Rethink Creator Seminarページへ>>

Rethink Creator Seminar、あなたもチャレンジしてみませんか?

Rethink Creator PROJECT名古屋セミナー、いかがでしたか?「面白そう」「自分も参加してみたいな」と思った方は、以下のページから今後のセミナー開催予定をチェックしてみてください。ご自身の地元にも、Rethink Creator Seminarがやって来るかも?リアル&オンラインのハイブリッド開催だから、開催地外からのオンライン参戦もOK!デザイン・クリエイティブ経験の有無は問いません。未経験者も初心者も大歓迎。エリア毎に例題やワークショップのお題は毎回変わるから、このレポートを読んでくださった方も新鮮な気持ちで受講できるはずですよ。

約2時間半のクリエイティブ体験で、地元を視る目がガラリと変わり、創造の芽がぴょこんと顔を出す。
Rethink Creator Seminarで「地元を誰かにまかせない」あなたに、出会ってみてください。

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