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PROJECT REPORT

Rethink講座&ワークショップレポート 長野編 ~芋栗南京より、あの夜空に夢中。~

「読書の秋、食欲の秋…花火の秋!」

今回オンライン開催のみとなった長野セミナー。
ワークショップでは、珍しい秋の花火大会がお題になりました。
迫力満点のこの写真に負けないコピーを考え、素敵なポスターに仕上げるのがミッション。
果たして、どんなRethinkが飛び出すのでしょうか?

2021 Rethink Creator PROJECT 第13回 長野セミナー

【日時】 9/8(水)18:30~21:00
【会場】 長野アークスセンター
【住所】 長野県長野市アークス1-32

 

長野セミナーの会場&参加者は?

長野セミナーが行われたのは、長野アークスセンター。高感度なコミュニケーション空間アークスホールをはじめ、貸室施設やレストラン、歯科診療所、無料駐車場を備えた施設です。コロナ禍を鑑みて会場でのリアル参加は控え、オンライン参加のみとなりましたが、20~50代まで幅広い年代の方々にご参加頂きました。今回のセミナーの参加者は、男女比1:2。属性としては、会社員(正社員)が5割、会社員(契約社員)が1割、会社役員・経営者が1割、自営業・フリーランスの方が2割、学生が1割といった割合で、クリエイティブなお仕事の経験者が7割以上を占める結果となりました。中には、中川さんと轟さんの講座をもう一度受講したい!と、募集中のセミナー全てに申し込んだという強者も…!!

 

長野セミナーの講師はこんな人!

中川 直樹(Nakagawa Naoki)

職業:アートディレクター
在住地:東京都
株式会社アンティー・ファクトリー代表取締役。現在は東京に本社、名古屋・大阪・盛岡・宮崎に支店を持つほか、株式会社アンティー・デザイン、株式会社アンティー・システムと複数の事業を展開。出身地は静岡県・浜松。“世の中を素敵にする「きっかけ」、時に「素敵そのもの」を創る”をキャッチフレーズとし、地域の為に何か力になりたいという強い気持ちの持ち主であることから、Rethink Creator PROJECTに賛同。今回は全体の進行を担当する。

轟 最之(Todoroki Motoyuki)

職業:アートディレクター
在住地:愛媛県(出身地:長野県)
株式会社アンティー・ファクトリー名古屋支社在籍。長野県長野市出身で、4人兄弟の次男で。実家は主に米とリンゴを栽培している兼業農家。故郷には強い愛着を持っており、以前よりクリエイティブな活動を通じて地方を盛り上げる仕事に関わりたいと考えていた。今回の長野セミナーには地域講師として参加。長野に愛着を持つ者ならではの視点で、より深い長野の魅力を発見・発信する。

Rethink Creator PROJECT 長野セミナー、いざスタート!

まずは、Rethink Creator PROJECTを企画・運営している「株式会社クリエイターズマッチ」代表・呉(ご)がご挨拶。料理人→デザイナー→営業マネージャー→起業…と、一風変わった経歴の持ち主です。クリエイターズマッチは、制作・開発・教育の3つの事業を通して「クリエイターが働きやすい世界を創造する」ことを目的とした会社。日本全国にいるクリエイター志望者へ学びの機会を、パートナークリエイターにはキャリアを広げるためのお仕事・作業効率を上げるためのツールなどを提供し、資生堂やアディダス、バンダイなど、数多くの大手企業との取引実績もある企業です。

Rethink Creator Seminarは、その「教育」のひとつで、Rethink PROJECTの一環としてクリエイターズマッチが運営しているセミナー。「地元を誰かにまかせない。」というキャッチコピーのとおり、クリエイターの地産地消を目指して、地元の人しか知らないその土地の魅力を再発見して発信する方法を知ることができる、デザイン未経験者でも受講可能なクリエイティブセミナーなのです。

続いて、今回の講師を務めるお二方の自己紹介。地元を元気にするという活動主旨に賛同しRethink Creator PROJECTに参画して下さった浜松市出身の中川直樹さんと、地域講師としてお招きした地元・長野県出身の轟最之さんの名コンビ講師が、参加者と一緒にRethinkしていきます。さあ、長野県の魅力を深堀し、日本中に発信すべく、長野セミナーRethink講座の始まりです。

長野セミナーレポート其の壱 Rethink講座 IN 長野編

Rethink講座は、中川さんが主に全体の進行を行いつつ皆に問いかけをし、轟さんがそれに地域クリエイターとして回答していくという形で進んでいきます。Rethinkとは、「視点を変えて考える」という意味。具体的にどのように視点を変えるか、というと…
1.FILTER  2.INSIGHT 3.CAPTAという3つの見方で「視点」を変えてみることで、地元の魅力を新しいカタチで伝えよう、という試みなんです。最初に出てきた画像は、長野県の地図。
中川さん「長野の魅力って、何だろう?考えてみて下さい」
続いて、雪山・リンゴ・そば・わさび・善光寺・野沢菜といった画像が。どれも長野と言えば!というべき名物ですが、これで「よし、長野に行こう!」と思ってくれる方は、なかなかいないのではないでしょうか?

 

ここで登場するのが1つ目の「FILTER=属性を見る」。
FILTERとは、誰に・何を伝えるかについて、伝えたい人や物を明確にすることでより具体的に伝えていくという手法です。

中川さん「轟さんが大事にしている県外の知人のお名前は?」
轟さん「立花さんです。」
中川さん「女性ですか?」
轟さん「女性です。」
中川さん「何をやられてる方ですか?」
轟さん「OLなんですけど、旅行と、美味しい物を食べるのが好きな女性ですね」
中川さん「なるほど。旅行と、美味しい物を食べるのが好きな立花さん。具体的に何歳位の方なんですかね?」
轟さん「具体的には知らないんですけど、30代位です」
中川さん「なるほど。では、30代の旅行と美味しい物を食べるのが好きな女性に長野の魅力を伝えたい場合は、どんなモノを紹介されますか?」
轟さん「北信濃の長野電鉄がやっている、ワインバレー列車を紹介したいなと思いました」
ワインバレー列車は、ローカル鉄道の長野電鉄が運行している、車窓からの風景と美味しいワイン・お食事が楽しめる、日本一ゆっくり走る特急列車。これまでに出た長野県の名物よりニッチで、知る人ぞ知る…という魅力が出てきましたね!
このように具体的なターゲットを決めて、長野の「何を」魅せるのかを考える事がFILTER(属性)を見る、という事なんですね。

 

続いて、2つ目の「INSIGHT=内側を見る」。
中川さんは轟さんにこう問いかけます。
中川さん「立花さんにワインバレー列車をおススメしたいという事なんですけど、伝えたい理由、メッセージというのがあると思うんですよね。なぜワインバレー列車を伝えたいと思ったんでしょうか?」
轟さん「立花さんは旅行が好きなので、既にいろんな所に行かれてるんですよね。なので目的地をご提案するというよりは、何かプラスアルファする事で旅自体が面白くなればいいなと思って。移動中のプラスワンとして、ワインバレー列車を思いつきました。ワインバレー列車は車中でワインや美味しいものを食べられるので、いつもと違う旅行が楽しめるんじゃないかなって。」
長野に到着するまで、道中もワインバレー列車で楽しんでほしいという想いから紹介されたワインバレー列車。旅行と美食好きな立花さんなら、きっと喜んでくれるはずですね。長野に強い愛着を持つ地域講師ならではの、とても素敵なINSIGHT(内側にある想い)。外側だけだと伝わりにくい事も、誰かに寄り添う内側の視点で考えればより素敵なメッセージになる、ということを体感できました。

 

最後は、「CAPTA=印象を見る」。これは、対になるモノとしてDATAと比較すると分かりやすいかも。

・データ:性格で堅い情報(数値や属性、位置や時間などの定量的な情報)
・カプタ:自由でやわらかい情報(現象や心理、物語などの解釈が色々ある情報)

さっそく、轟さんが立花さんに紹介したワインバレー列車のキャッチコピーをデータとカプタで考えると…?

・データ:乗車時間80分 ワインバレー列車 ながでんグループ
・カプタ:地元のワインを飲み比べ。のんびりほろ酔い列車の旅。車窓は最高のごちそう。

見比べると、データはすぐ理解できる正確な情報ですが、カプタの方が印象深く記憶に残りやすい。
「長野に行く道中で、キレイな風景を眺めながらワインを飲んで、美味しいもの食べて…ワインバレー列車、イイかも♪」なんて気持ちにさせるコピーになっていますね。

 

FILTER・INSIGHT・CAPTA、3つの手法でRethinkしてみると、身近な魅力が沢山見つかる。同じモノでもさまざまな表現ができる。それが実感できた講座でした!ここでは講座の一部をご紹介しましたが、実際にはほかにも地元のスポットやグルメがたくさん紹介され、講師がRethinkして新たな魅力を発見してくれました。地元の人も知らない名所や名物が次々と出てくるのを見ているだけでも楽しいのに、そこにRethinkした魅力的なメッセージが添えられると、「行ってみたい!」「食べてみたい!」という気持ちが高まります。「セミナー後、街を歩くと発見だらけ!」「クリエイティブって難しそうって思ってたけど、視点を変えるだけで色んなアイデアが湧いてくるんですね」と、参加者からも大好評。このセミナーに参加したことがきっかけで、今はデザイナーとして活躍する先輩もいるんですよ。こんなに充実した講座&ワークショップなのに、未経験大歓迎、参加費は無料!興味が湧いた方は、今後のセミナー開催予定をチェックしてみて下さい!

 

Rethink Creator Seminar2021 セミナー開催情報はこちら>>

長野セミナーレポート其の弐 Rethinkワークショップ IN 長野編

RethinkワークショップIN長野のお題1 長野の秋の風物詩は、意外と派手。


講座の次は、学んだ事を実践するワークショップ。

中川さん「では、ワークショップ始めていきましょう!ここからは参加者の皆様で盛り上がって頂ければと思ってます!
皆様にはまずRethink講座で学んだ3つの視点を使って、お題の画像に対するキャッチコピーを考えて頂きます。そのコピーをここにいるアートディレクターの轟さんが写真に載せて、1つのポスターにしていきます。もちろん、ポスター作成の時も縦書き横書き、ゴシック体がいいのか明朝体がいいのか、皆様の意見を取り入れながらやっていきたいので、どしどしアイディア下さいね!」

ということで、まず出てきたお題は、夜空にパッと映える花火の画像。これは、100年以上の歴史と伝統を誇る「長野えびす講 煙火大会」。長野市岩石町にある西宮神社の御祭礼であるえびす講をさらに盛り上げるため、明治32年(1899年)に街の有志たちが企画した「長野市大煙火大会」が始まりという、日本でも珍しい11月・秋開催の花火大会です。大迫力のこの花火大会の情景を、参加者たちはどのようにRethinkしていくのでしょうか?

ターゲットを決めよう1 ~さあ、誰に届ける?

  • 御朱印帳集めが好きな40代、50代の女性
  • 元気と親睦が欲しい40代
  • 映えスポットすきな県外に住むともだち
  • 今年、自粛続きで夏祭りに参加できなかった東京に住む小学生とその家族
  • 鬼滅の刃にどハマリした、サラリーマン。
  • 初めて付き合った彼女。手も繋げなかった当時の彼女と一緒に行って今度こそ手をつなぐ!
  • 地元が長野の母に。
  • 神奈川に住む、初めてビールの味を教えてくれた大学の先輩 (男性)
  • ひとり旅に飢えた独身男女たち
  • 大学時代の友達、東京出身・在住、アクセサリーや洋服にこだわりあり、エモさを大事にしてる、キャンプが好き
  • 仕事はリモート中心、夏休みに家族旅行にも行けず、悶々と過ごす都会の悲壮なサラリーマン

まずは、えびす講煙火大会の写真を「誰に届けるか?」を決めるためのアイディア出し。
撮影者の気持ちになって、伝えたい相手を想像してみよう!ということで、参加者は2分の間に浮かんだアイデアをチャット投稿していきます。

中川さん「轟さんはどんな方を想像します?何を伝えたいですか?」
轟さん「僕の奥さんですね。花火大会大好きなんですよ。近所(名古屋)の花火大会もよく行きますし」
講師2人がワクワクしながら待つうちにも続々とアイディアが出されていきます。

中川さん「40代・50代の落ち着いた世代にアプローチしたいという案が多いですね」
轟さん「そうですね。“鬼滅の刃にどハマリした、サラリーマン。”気になりますね。面白いです。」
中川さん「“ひとり旅に飢えた…”笑。長野って一人旅するのも楽しい所ですよね」
轟さん「そうですね。楽しいと思います!」
中川さん「さあ、たくさんの案が出てきました!この中から伝えたい相手を決めてコピーを考えていくわけですけど、轟さんはどれがいいですか?」
轟さん「アフターコロナというテーマに加えて、僕は家族がいるので…」
伝えたい相手を奥さんにするくらい家族思いな轟さんのチョイスは、コレ!

今年、自粛続きで夏祭りに参加出来なかった
東京に住む小学生とその家族

コピーを考えよう1 ~さて、どのように伝える?

  • 耳はふさいで、お口もふさいで。でも目だけは見開いて。
  • 寒っ!でもドカーンと熱い!ながの夜は熱いぞ!
  • っも ぅ ぅ ぅ~我慢の限界だ!どかんと一発。魅せろ俺らの技。見させろ、一流の花火。
  • ゆく年くる年で、鮮やかな今日を思い出そうよ。
  • 一度は行きたい、善光寺参りとえびす講
  • ドドーン!止まった時が動き出す!
  • 心も体も震える、身を寄せあって見る花火の甲子園
  • みんなで、えがおに、えびす講
  • 見ると目が、キラキラになる
  • 子供に笑顔がうまれます
  • 写真に写った子供の目には、花火が舞っていた
  • 蕎麦?野沢菜?長野は花火もスゲえんだぜ!

ターゲットが決まったところで、ぴったりなコピーを考えていくのですが、ここでも参加者からはオンライン上で積極的なアイデア出しが行われました。沢山挙がったコピーの中から、轟さんが即決!選ばれたのは、今回のセミナーのテーマである「地元のアフターコロナをRethink」と「えびす講煙火大会」の迫力、両方を上手く表したこのコピーでした!

ドドーン!止まった時が動き出す!

レイアウトを決めよう 1~プロの技、拝見!


コピーが決まったところで、参加者の多数決で「文字(フォント)の種類」と「文字のレイアウト(縦書きか横書きか)」を決めていきます。

中川さん「縦書きか横書きか、活字のようなゴシック体か筆で書いたような明朝体か、ここにいる皆様にイメージして決めて頂きたいと思います!多数決で決めていきたいので、どしどしチャット投稿して下さい!」

選ばれたのは、「ゴシック体&縦書き」。ゴシック体は67%、縦書きは56%と、意外と接戦だったようです。ここから地域講師でありデザイナーの轟さんが即興でポスターを仕上げていきます。「これ、縦書きって多分難しいですよね。横書きがよかったな(汗)」珍しく弱気な発言の轟さんですが…?

轟さん「まずは『ドドーン!』と、『止まった時が動き出す』を分けました。『ドドーン!』は写真の上の方に配置して、『止まった時が動き出す』は改行しようかな」
中川さん「なるほどね。3行にした方が、この花火のドドーン!と一緒に動き出す感じがしますね!キャッチコピーを分けて改行するだけでも全然印象違いますね」

改行を決めたら、お次は文字の大きさを調整。
中川さん「『止まった時が、動き出す』の文字の大きさを少し小さくすると、花火のビジュアルが活きて、厳かな感じがしますね!」
轟さん「今“厳か”と言って下さったんですけど、このビックリマークだとおかしいと思うので、『。』に変えます。」
中川さん「なるほど。「アフターコロナが始まります」といった感じがしますね!」

更に厳かさを出す為に、時間のところに『とき』とふりがなを付ける轟さん。
中川さん「“じかん”じゃなくて、“とき”ですか。イイっすね!皆さん、これ凄くイイと思いませんか?なんかプロっぽいな。『ドドーン!』はどうされますか?」
轟さん「写真からはみ出すように突き出して、棒線伸ばしちゃいます。」
中川さん「凄く迫力出ますね!」
轟さん「棒線伸ばすとポップさも出るかなと思いまして(照)」

中川さんがハイテンションになって褒め倒してくれるので、轟さんも気分よくどんどんアイデアが出たようです(笑)。
さあ、素敵なポスターの出来上がり!
完成!これが、1つ目のRethink。

参加者みんなで創った、1つ目のRethinkが完成しました。コロナで自粛が続いて元気がなくなっていたところに、豪快な花火の打ち上げで、新たな日常が動き出す。そんな予感を感じさせる、力強くて活力がふつふつと湧いてくるような、素敵なポスター。

中川さん「“そうだ 京都、行こう。”にも引けを取らない出来ですよ!このポスター見たら絶対えびす講に行っちゃいますね。」
轟さん「ハハハ、あの名作に並びましたか!」
講師2人とも満足のいく出来栄えになったようです♪学んで即実践できるお陰で、Rethinkの醍醐味をしっかりと味わえるセミナーになっていますね。「自分にもできちゃうかも?」もちろん、できます!クリエイター未経験者もデザイン未経験者も気軽に参加できて、しかも無料!のRethink Creator Seminar、あなたもぜひ参加してみて下さい。

 

Rethink Creator Seminar2021 セミナー開催情報はこちら>>

コピーを考えよう 2~さて、どのように伝える?

  • 耳はふさいで、お口もふさいで。でも目だけは見開いて。
  • 寒っ!でもドカーンと熱い!ながの夜は熱いぞ!
  • っも ぅ ぅ ぅ~我慢の限界だ!どかんと一発。魅せろ俺らの技。見させろ、一流の花火。
  • ゆく年くる年で、鮮やかな今日を思い出そうよ。
  • 一度は行きたい、善光寺参りとえびす講
  • 心も体も震える、身を寄せあって見る花火の甲子園
  • みんなで、えがおに、えびす講
  • 見ると目が、キラキラになる
  • 子供に笑顔がうまれます
  • 写真に写った子供の目には、花火が舞っていた
  • 蕎麦?野沢菜?長野は花火もスゲえんだぜ!

いつもなら別な写真を使ってもう1つポスターを創るところですが、今回は音声トラブルなどの対応で時間が少し押しているため、同じ「えびす講煙火大会」の写真を使って別なコピーを選び、2つ目のポスターを制作する事に。

中川さん「では第2弾という事で、轟さんにコピーを選んでもらいましょう。どれいきますか?」
轟さん「う~ん。難しいですね。別な視点にしたいから、さっきとは違ったコピーを使いたいですね。」
中川さん「いい印象の言葉を組み合わせて考えてみてはどうですか?」
轟さん「うう~ん。難しいな。。すみません、アドバイス下さい。中川さんがいいと思うものを教えて下さい」
中川さん「僕がこの中で光ってるなと感じるのは、『心も体も震える』だったり、『花火の甲子園』とか。『見ると目がキラキラになる』っていうイメージも素敵ですし、『写真に写った子供の目には花火が舞っていた』も知的な感じでいいですね。『寒っ!』っていうのも、秋に花火をやっているけど長野の夜は熱いぞ!っていう感じで凄く好きです!多少アレンジされてもいいですよ。」
轟さん「『心も体も震える、身を寄せあって見る花火の甲子園』…ちょっと長いな(汗)」
中川さん「秋という季節をアピールするコピーを入れてもらいたいです。言葉のアレンジはお任せします。」

轟さんはコピーの選定にかなり悩まれましたが、中川さんからのアドバイスと要望を聞き、2つのコピーを組み合わせてアレンジする事にしたようです。…で、最終的に決定したコピーはコレ!

寒っ!心も体も震える、花火の甲子園

レイアウトを決めよう2 ~プロの技、拝見!

コピーが決まったところで、先ほどと同じく参加者の多数決で「文字(フォント)の種類」と「文字のレイアウト(縦書きか横書きか)」を決めます。
選ばれたのは、「明朝体&横書き」。ゴシック体は67%、縦書きは73%。さっきと真逆の結果となりました。

中川さん「轟さんは、明朝体とゴシック体の使い分けはどのようにしているんですか?」
轟さん「男性のような力強さを感じるのはゴシック体で、しなやかで女性的な印象があるのは明朝体ですね。」
中川さん「そうですね。ゴシック体は文字を太くしたりサイズを小さくしても字体が潰れにくい、明朝体は知的な印象だったり、歴史的・伝統的な印象がありますよね」
ゴシック体と明朝体、プロはこんな風に使い分けているんですね。まずは轟さんが写真にコピーを配置して、レイアウトを考えていきます。
轟さん「文字間を一旦詰めちゃいます。文字が小さいと見づらくなっちゃうんですよね。で、『花火の甲子園』は凄くいいなと思ってるので大きくします。」
中川さん「文字が白色なので寒いって感じがしますけど、文字を大きくすると花火の力強さを感じますね。」
轟さん「はい。『花火の甲子園』を主役にしようと。」
中川さん「なるほど!」
何をアピールしたいかという視点と、見る側にとっての文字の見やすさ。これを両方成立させるのが大事なポイントなんですね。

轟さん「『心も体も震える』は、『花火の甲子園』を増幅させる言葉なので、ココに置きたいですね」
中川さん「なるほど。『花火の甲子園』に掛けたいんですね」
『心も体も震える』のフォントサイズは小さめにして、『花火の甲子園』の真上に配置。

中川さん「こうなると、この『寒っ!』はどこに置くんですかね?アートディレクターの腕の見せ所ですね。」
轟さん「ちょっとプレシャーですね笑。でも、11月の感じを出すなら、この『寒っ!』はリアクションと捉えて工夫していけばイイと思うんですよね」

ここで轟さんはちょっとした遊び心を発揮。
中川さん「イイですね!さすがです!」
中川さん絶賛の2つ目のポスター、仕上がりは…?
完成!これが、2つ目のRethink。


2つ目のRethink、完成!
「寒っ!」のあとにつけた「?」。これが観る側の驚きを示す、轟さんの工夫POINTです★

最初の1枚は花火の打ち上げと同時にふつふつと活力が湧き上がるようなポスターでしたが、今回のポスターは驚きと、静かに心が震えるような感動を伝える1枚になりました!

長野セミナー、終了! ~参加者の感想は?

最後に、講師のお2人から。

中川さん「コピーライターでもデザイナーでもない普通の人達でも、ちょっと視点を変えて頭を捻るだけで、プロが作ったポスターと同じようなものを作れるっていう事を、この長野セミナーで実感して欲しかった。皆様自身がどんどん地元の魅力の新たな発見とアピールをして欲しいと思います!」

轟さん「今日、長野セミナーのコピーワークを通して皆様とコミュニケーションが取れたのは、本当に楽しかったですし、良かったなと。Rethinkで物事を多角的に見るということはデザインを進める上ですごく大事なことですし、デザインを創り始める前のコンセプトワークにも通じるものなので、今日の講座がデザイナー志望の方はもちろん、他の方にも少しでも役立つと良いなと思います。」

 

締めには、Rethink Creative Contestという、デザイン経験がなくてもチャレンジできる“アイデア重視”のクリエイティブコンテストの紹介が。2021年のテーマは、「地元のアフターコロナをRethink!」。これから必ずやってくるアフターコロナに向けて、あなたの地元の「当たり前だと思っていたこと」「意外と知られていないこと」「ちょっと残念なこと」を魅力的に伝えて下さい、ということで、A4タテサイズのポスターを創るというのが課題です。IllustratorやPhotoshopといった専用ソフトを使わずとも、Wordなんかで作成してもOKなんですって。最優秀賞となるRethink PROJECT賞には、賞金50万円が贈呈される!ということで、デザインやクリエイティブのコンテストとしてはかなり大盤振る舞いなんです。2020年のRethink PROJECT賞は、沖縄の意外な風習を紹介したユニークな作品。受賞作を見てみたい方は、2020コンテストの審査結果ページをチェックしてみてくださいね!

 

Rethink長野セミナー、これにて終了!
実際に参加くださった皆さんのアンケートからは、以下のような感想が寄せられました。

・初めてでしたが、気軽に参加できました。参加者がチャットでバンバン意見を出されていて刺激になりましたし、即興でデザインが出来上がっていくのは圧巻でした。有難うございました。
・Rethinkの意味、デザインの視点を学び見方を変えてみる習慣を身につけたくて今回セミナーに参加しました。とてもわかりやすく理解する事ができました。今後の仕事に活かしていきたいと思います。
・今回はコロナ禍の影響でオンラインのみの開催となってしまい、参加者が顔出し出来ない状況の中でも、まるでリアル開催のように参加者と一体感を感じさせるお二人の講座とワークショップの進行の上手さには感服しました。現役デザイナーの方のコピーを決めてからデザインを完成させるところまでセミナーで生で拝見できた事で、私自身のコンテンツを作るモチベーションが上がりましたし、いい勉強になりました。
・中川代表と轟さんコンビを名古屋で視聴して、もう一度見たくて、今開講されているセミナー全て申し込みました。今回もやはりお話がうまくて、引き込まれました。ワークショップでは進行役とデザインが明確に役割分担されているのも、お二人のセミナー進行の上手さのポイントかと思います。神戸はリアルで、青森はオンラインで参加しましたが、今回の作品も素敵に仕上がっていたと思います。福岡も参加します!
・同じ写真でも、コピーと配置を少し変えるだけで伝わり方が変わる事を知れたのは、とても学びになりました。
・2年連続で中止になってしまった「えびす講煙火大会」。今年こそは、心と体が震える花火の甲子園を開催できる事を期待していたので、今回の長野セミナーで取り上げて頂いた事、素晴らしいポスターへクリエイト頂きました事、感無量でした。

ちなみに、参加者の満足度は90%以上!※
参加された多くの方々が、クリエイティブに触れ、実践する楽しさを存分に味わえる講座内容にご満足いただけたようです。

今後、まだ参加されていない方々も、このRethink講座に触れて地元の魅力を再発見・発信して頂くと共に、いつの日かRethinkが日本全国の「地元」の活気が生まれるきっかけになれば…と願います!

※参加者アンケートで「とても満足できた」「満足できた」と回答された割合

 

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Rethink Creator Seminar、あなたもチャレンジしてみませんか?

Rethink Creator PROJECT長野セミナー、いかがでしたか?
「面白そう」「自分も参加してみたいな」と思った方は、以下のページから今後のセミナー開催予定をチェックしてみてください。
ご自身の地元にも、Rethink Creator Seminarがやって来るかも?

リアル&オンラインのハイブリッド開催だから、開催地外からのオンライン参加もOK!
デザイン・クリエイティブ経験の有無は問いません。未経験者も初心者も大歓迎。
エリア毎に例題やワークショップのお題は毎回変わるから、このレポートを読んでくださった方も新鮮な気持ちで受講できるはずですよ。


約2時間半のクリエイティブ体験で、地元を視る目がガラリと変わり、創造の芽がぴょこんと顔を出す。
Rethink Creator Seminarで「地元を誰かにまかせない」あなたに、出会ってみてください。

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