CONTEST

コンテスト

コンテスト受賞作品

コンテスト受賞作品

【GOLD】Rethink Creator 賞

作品タイトル

産地が見えづらいでおなじみの

作品テーマ地域

愛知県西尾市

お名前

小笠原 葉南 さん

作品説明

愛知県西尾市は全国トップクラスの抹茶の生産地です。それにもかかわらずその名前はあまり知られていません。
これは、西尾の抹茶が加工品として発展してきた歴史があるためです。低温で砂糖の甘味が強いアイスには渋めの抹茶を、淡白な生地のそばには渋みの少ない抹茶をブレンドします。その商品の良さを引き出すために「西尾の抹茶」と名乗りながらも味を自在に変化させてきました。そのため、多くの人は「抹茶味」として親しみながらも、実はその多くが西尾産であることに気づいていません。産地を意識させずに日本中に抹茶文化を届けてきた点が、西尾の抹茶の強みだと考えます。
今回制作したポスターでは、「西尾の抹茶」という文字を、複数の茶碗に入った抹茶のイメージで錯覚的に表現しました。見る距離によって文字が見えたり見えづらくなったりする体験を通して、「西尾の抹茶」を興味深く認知させ、食品に対して多角的な視点を持つことの重要性も感じてもらえる作品にしました。

受賞者コメント

この度は【GOLD】Rethink Creator 賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。
地元・愛知県西尾市は全国有数の抹茶の生産地ですが、多くが加工品として使われるため、生産地としてはあまり知られていません。県外で暮らすようになり、抹茶の商品を手に取る人の多くが生産地を気にしていないことに気づき、改めて地元の魅力を伝えたいと思いました。
この作品をきっかけに、西尾の抹茶を知り、味わっていただけたら嬉しいです。

審査員コメント

筒井 美希 氏
国内トップクラスの抹茶産地なのに、名前がほとんど知られていないという事実に目を向けた着眼点がまず魅力的でした。“多いのに知られていない”という矛盾をそのまま表現に落とし込んだ軸の通し方が気持ちよく、抹茶の具体的な造形を使わなくても、その印象が立ち上がる表現も上手です。「今日も見えないどこかで、誰かに抹茶を届けている。」という一文も良い余韻につながっています。

カイシトモヤ 氏
「個を主張しない」ことがUSP(販売における独自性)になりえる、ということに気づいた点でこの作品の骨子は完成していたと思う。なるほど、西尾の抹茶はお茶界のインフラとして多くの派生商品を支える価値を持っているのだ。SNSなどでキラキラとした個をアピールすることを促される圧の強い現代社会へのアンチ・メタファー広告と見ることもできる。インフラは自己の主張をさしおき、利他でないといけない。その優しさと美学をこのポスターの作者は機知に富んだ表現ですくいあげた。白窓をつかわずに、抹茶を外したところを文字配置の空間として使ったのも僕が気に入ったポイントだ。

田原 洋樹 氏
地域のPRポスターと言えば、地域産品を大きく打ち出すのが一般的ですが、この作品は、あえて「見えづらい」ことを売りにしている、「逆転の発想」が目をひきました。ポスターにある「今日も見えないどこかで、誰かに抹茶を届けている」というメッセージは、そのまま自治体のCMやポスターとしてのキャッチコピーになるくらい印象的なメッセージでした。

宇田川 尊志 氏
見れば見るほど味わい深い作品です。全国トップクラスの抹茶の生産地でありながら、産地を意識させずに日本中に抹茶文化を届けてきたという「控えめな存在感」を見事に体現したデザインとなりました。このデザインを作り上げる手間はどれほどかかったのでしょうか。視点の角度で見え方が変わるドットの埋め込みは途方もない作業量を感じさせます。その作者の手間が西尾の抹茶の変幻自在な加工と重なり、よりいっそう商品イメージを膨らませた点も評価を上げました。